ブログ
家庭用カメラと業務用カメラの違い|店舗・事務所で選ぶ基準

この質問への答え
家庭用のネットワークカメラを店舗や事務所に付けること自体は、法律で禁止されていません。ただし、事業者が防犯カメラで人を撮る場合は、カメラの種類に関係なく、利用目的の特定や「カメラ作動中」の掲示などが求められます。店舗・事務所で選ぶときは、価格や画質よりも、アップデートが続くか、アカウントと録画を会社で管理できるか、を基準にするのが確実です。
「ネット通販の家庭用カメラで十分では?」「業務用は何が違うのか」というご質問をよくいただきます。沼津市・三島市周辺の店舗や事務所でも判断できるよう、個人情報保護委員会とIPA(情報処理推進機構)の資料をもとに、選ぶ基準を整理しました。
この記事の要点
- 家庭用か業務用かより、事業者としての映像の扱い方が問われる
- 選ぶ前に、IPAのガイドにあるアップデート・サポート情報・問い合わせ先を確認する
- 店舗・事務所では、アカウントと録画を個人ではなく会社で持つことが大切
家庭用カメラを店舗・事務所に付けてもよいのか?
付けること自体は問題ありません。個人情報保護委員会のQ&Aは、カメラの種類ではなく、事業者が撮った映像をどう扱うかについて考え方を示しています。家庭用でも業務用でも、店舗や事務所で人を撮れば、同じ考え方が当てはまります。
| 個人情報保護委員会Q&A(Q1-13)の内容 | 店舗・事務所でやること |
|---|---|
| 利用目的をできる限り特定し、その範囲内で使う | 「防犯のため」など目的を決め、それ以外に使わない |
| 防犯目的が設置状況から明らかなら、目的の通知・公表は不要 | カメラが見える位置にあるかを確認する |
| 撮られていると容易に分からない場合は、分かるようにする措置が必要 | 入口や設置場所に「防犯カメラ作動中」を掲示する |
| 見た目で分かる場合でも、掲示するとより望ましい | 小型カメラほど掲示を忘れない |
家庭用カメラは小さく目立たないものが多いため、掲示がないと「撮られていると分からない」状態になりがちです。運用ルール全体の作り方は防犯カメラの運用ルールの記事にまとめています。
家庭用と業務用で、選ぶときに何が違うのか?
IPAの「ネット接続製品の安全な選定・利用ガイド」は、ネットワークカメラを対象製品に含め、購入前に確認するポイントを7項目挙げています。家庭用か業務用かの区別ではなく、この項目をどれだけ確認できるかで比べるのが確実です。
1. アップデートとサポート情報
アップデート機能があるか、セキュリティの最新情報をメーカーが掲載し続けているか、サポート情報の記載があるかを見ます。アップデートが止まったカメラは、外から侵入される入口になりえます。
2. 問い合わせ先とセキュリティ方針
メーカーの問い合わせ先と、製品のセキュリティ方針が公開されているかを確認します。ガイドは、確認できる項目がより多い製品を選ぶよう勧めています。
3. 国の適合ラベル(JC-STAR)
IPAはIoT製品のセキュリティ適合ラベル制度「JC-STAR」を運用しており、取得製品はIPAのリストで確認できます。ネットワークカメラ向けの★3の要件も2026年に公開されました。ただしIPAは、ラベルがあっても安全を保証するものではないとしています。
店舗・事務所で特に気をつける点は?
ここからは、現場でよく見かける家庭用カメラの困りごとです。製品ごとに仕様が違うため、購入前に取扱説明書やメーカーのサイトで確認してください。
| 確認する点 | 起きやすいこと |
|---|---|
| アプリのアカウント | 設置した従業員の個人アカウントに紐づき、退職後に誰も見られなくなる |
| 録画の保存先 | 本体のSDカードだけだと、カメラごと持ち去られると映像も失う |
| 台数と一覧性 | 台数が増えると、複数の画面を1つのアプリでまとめて見にくい |
| 設置場所と電源 | 屋外や軒下に付けるなら、防水や配線の方法を確認する必要がある |
ひとこと:IPAのガイドは、購入後すぐにパスワードを変えることと、使わなくなったカメラをネットから切り離すことも挙げています。つけっぱなしで忘れられたカメラが一番危ないので、台数と場所を一覧にしておくと安心です。
カメラが外部から乗っ取られないための点検は防犯カメラが社内侵入の入口にの記事で取り上げています。
GT.engineerの対応範囲
今お使いの家庭用カメラをすぐ買い替える前提では考えません。使い続けられるかを確認したうえで、必要な部分だけ見直します。
- 設置場所と撮影範囲の検討、カメラ・レコーダーの選定
- アカウントの会社管理への切り替えと、パスワード・アップデートの確認
- カメラ用のLAN配線・PoE給電の工事
- 設定内容と台数・設置場所の一覧化、故障時の連絡窓口
よくある質問
Q. 家庭用カメラだと法律違反になりますか?
A. カメラが家庭用であること自体は問題になりません。個人情報保護委員会のQ&Aが示しているのは、利用目的の特定や掲示など、事業者としての映像の扱い方です。
Q. 「防犯カメラ作動中」の掲示は必要ですか?
A. 撮られていることが容易に分からない場合は、分かるようにする措置が必要とされ、例として入口や設置場所への掲示が挙げられています。見た目でカメラと分かる場合でも、掲示するとより望ましいとされています。
Q. JC-STARのラベルがあれば安心ですか?
A. ラベルは、定められた最低限のセキュリティ機能を満たすことを確認したものです。IPAは安全を保証するものではないとしているため、購入後のパスワード変更やアップデートは引き続き必要です。
Q. 今ある家庭用カメラはどうすればよいですか?
A. まず、アップデートが続いているか、アカウントを誰が持っているか、録画がどこに残るかを確認します。問題がなければ、掲示と運用ルールを整えて使い続ける選択肢もあります。
静岡県東部で相談するなら
有限会社GT.engineer(静岡県三島市長伏52-3)は、沼津市・三島市・清水町・長泉町を中心に、伊豆市・伊豆の国市を含む伊豆地域全体で、ネットワーク・Wi-Fi、サーバー・NAS、防犯カメラ、IT保守を扱っています。「今の家庭用カメラをこのまま使ってよいか見てほしい」という段階からご相談いただけます。
出典:個人情報保護委員会「従来型防犯カメラの設置に関するQ&A(Q1-13)」/IPA「ネット接続製品の安全な選定・利用ガイド -詳細版-」/IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」・適合ラベル取得製品リスト・★3適合基準(いずれも2026年9月28日確認)。「店舗・事務所で特に気をつける点」の表は、一般的な実務上の目安です。

