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中小企業が生成AIを社内で使い始めるときの進め方と社内ルール

生成AIを社内で使い始めるときに最初に決める「入力してよい情報/だめな情報」の線引きと社内ルールを示すイメージ

この記事の要点

  • ツール選びより先に、入力してよい情報と、入力してはいけない情報の線引きを決める。
  • 業務用アカウントは会社として用意し、入力内容がAIの学習に使われるかを提供元の規約で確認する。
  • やり直しがきく業務から小さく試し、出力を最終確認する責任は人間に残す

この記事の答え

生成AI(指示文を入力すると文章などを作り出すAI)を社内で使い始めるときは、ツール選びより先に「入力してよい情報と、入力してはいけない情報」の線引きを決めることが出発点です。次に業務用アカウントを会社として用意し、入力内容がAIの学習に使われるかを提供元の規約で確認します。そのうえで、やり直しがきく業務(社内文章の下書き、長文の要約、議事録の整理など)から小さく試し、出力を最終確認する責任は人間に残します。

この3点を1枚の社内ルールにまとめて周知すれば、従業員数名〜数十名の会社でも無理なく始められます。

最初に決める判断基準:入力してよい情報/だめな情報

不安の多くは「うっかり入力すること」と「出力をそのまま使うこと」から生まれます。情報の種類ごとに扱いを決めておけば現場が迷いません。

情報の種類 扱いの目安 理由
顧客・従業員の氏名や連絡先などの個人情報 原則として入力しない 個人情報保護委員会が、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう求めています
見積・単価・図面・取引条件などの機密情報 原則として入力しない AI事業者ガイドラインは、入力が学習データに使われる予定がある場合は入力しないよう留意するとしています
取引先から預かった資料や守秘義務のある情報 入力しない 自社の判断では決められず、契約違反になるおそれがあります
公開情報、社内の一般的な文章、自分が書いた下書き 使ってよい(出力は人が確認) 漏えい時の影響が小さく、効果を確かめやすい

アカウントと契約形態で確認する観点

  • 入力内容がAIの学習に使われるか、使われない設定や契約が選べるか
  • 会社が契約したアカウントか、社員が個人で登録したものか
  • だれが使っているかを会社が把握でき、退職時に止められるか
  • ログ(入力と出力の記録)が残るか、だれが確認できるか

提供元と契約形態によって異なるため、特定サービスの機能や学習利用の可否は必ず提供元の最新の規約を確認してください。

使い始めるまでの進め方(チェックリスト)

1. 困っていることを1つに絞る

「文章を書く時間を減らしたい」など、目的を言葉にします。

2. 入力してよい情報の線引きを決める

上の表をたたき台に、自社の実情へ書き換えます。

3. 会社としてアカウントを用意する

社員個人の登録に任せきりの状態をやめます。

4. 試す業務を2〜3個だけ選ぶ

社内文章の下書き、要約、議事録の整理、定型的な案内文などが向きます。社外にそのまま出る文書や、金額・人の評価にかかわる判断は最初は外します。

5. 出力の確認責任を決める

AI事業者ガイドラインは、出力の精度とリスクを理解したうえで利用し、重大な影響が生じ得る場合は人間の判断を介在させる仕組みで判断することを挙げています。「だれが確認し、だれの名前で外に出すか」を業務ごとに決めます。

6. 社内ルールを1枚にまとめる

入力の線引き・使ってよい業務・確認担当・相談先の4項目で足ります。長い規程より1枚の方が守られます。

7. 集まって説明し、一定期間後に見直す

同ガイドラインでも、AIに関わる人が正しく理解し利用できるよう必要な教育を行うことが期待されています。誤った情報が出ることやデータの偏りを短い説明会で共有し、うまくいった業務だけ広げます。

費用と期間の考え方

金額を先に決めず、次のどれが自社に当てはまるかを整理してから見積もりを取ってください。

  • 使う人数と必要なアカウント数
  • 契約形態(学習利用の扱いや管理機能を選べるか)
  • アカウント管理をどこまで整えるか(把握・退職時の停止)
  • ネットワークや端末側の備えを同時に見直すか
  • ルール作成と説明会を自社でやるか外部に頼むか

期間も同じで、2〜3業務に絞る場合と、全社に広げて管理の仕組みまで整える場合では必要な時間が違います。

自社でできること/業者に頼んだ方がよいこと

生成AIの活用は外部に丸ごと任せられる仕事ではありません。自社で決めるのは、どの業務から試すか、何が機密かの最終判断、出力の確認と社外に出す内容の責任、推進役を1人決めることです。外部の手を借りた方が早いのは次の点です。

  • アカウント管理と、退職時に確実に止める手順の設計
  • ネットワーク・端末側の安全対策、ログを確認できる状態の整備
  • 提供元の規約を一緒に読み、確認点を洗い出すこと
  • 社内ルールの文書化と説明会の実施
  • 「これは入力していいのか」という判断の相談先

静岡県東部で相談するなら

有限会社GT.engineerは、IT部門を静岡県三島市長伏52-3に置き、沼津市・三島市・清水町(駿東郡)・長泉町を中心に、伊豆市・伊豆の国市を含む伊豆地域全体でITのご相談に対応しています。ネットワークやサーバー、パソコンなどの環境整備からAI活用サポート、IT保守・伴走支援まで扱っており、生成AIについても社内ルールの整え方やアカウント管理といった土台づくりを含めご相談いただけます。訪問と遠隔のどちらで対応するかは、地域とご相談内容に応じて確認します。AI活用サポートのページ、またはお問い合わせからご連絡ください(電話 055-957-4706/メール info@gt-engineer.jp)。

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よくある質問

Q. 社員が個人で登録したアカウントで使っています。やめさせるべきでしょうか。

A. 一律に禁止すると、会社が把握できないまま使われる状態が続きやすくなります。まず入力してよい情報の線引きを示し、業務で使うなら会社が用意したアカウントに切り替えるのが現実的です。だれが何を使っているかを会社が把握できる状態にしてください。

Q. 入力内容がAIの学習に使われるかは、どこで確認できますか。

A. 契約形態やプランによって異なるため、提供元が公開している最新の規約で確認する必要があります。AI事業者ガイドラインも、利用する側は提供元が定めた利用上の留意点やサービス規約を守ることを挙げています。判断が難しければ、契約前に提供元へ問い合わせ、回答を記録に残してください。

Q. AIの出力が間違っていたとき、責任はどうなりますか。

A. 出力をそのまま使う判断をしたのは自社ですので、社外に出した文書の責任は自社に残ります。AI事業者ガイドラインも、出力の精度とリスクを理解したうえで利用することを挙げています。業務ごとに確認担当を決め、確認なしで社外に出さない運用にしてください。

出典総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日公表)個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」(2024年7月)IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月27日公開)(いずれも2026年9月16日確認)

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