ブログ

家庭用Wi-Fiルーターを会社で使うと何が起きるか|業務用APとの違い

会社で家庭用Wi-Fiルーターを使ったときに起きることと業務用アクセスポイントとの違い

この質問への答え
家庭用のWi-Fiルーターを会社で使うことは、法律で禁じられてはいません。ただし家庭用は「同じ家の人だけが使う」前提の機器のため、来客にWi-Fiを貸す事務所で使うと、業務用パソコンやNASと同じネットワークに部外者の端末が入ります。来客に貸す場合と複数の部屋へ電波を飛ばす場合は、業務用アクセスポイントへ替えるのが安全です。

総務省が2026年7月14日に公表した「令和7年度 無線LAN利用者実態調査」では、自宅Wi-Fiの利用者のうち、ルーターの管理用パスワードが「購入時設定のまま」と答えた人が39%を占めました。同じ機器と同じ使い方が、そのまま事務所に持ち込まれている例を静岡県東部でもよく見かけます。

この記事の要点

  • 家庭用の使用自体は違反ではない。困るのは来客に貸したときと届かない席が出たとき
  • 総務省の手引きは、来客用と業務用を物理分離またはVLANで論理分離するよう求めている
  • 買い替え前に、管理用パスワード・暗号化方式・ファームウェアの3点を見るだけでも危険は減る

会社で家庭用Wi-Fiルーターを使うと何が起きるのか?

起きやすいのは、来客に教えたパスワードから業務用のパソコンやNASへ手が届いてしまうことです。総務省の「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き(令和7年2月版)」は、業務用ネットワークで宿泊者向けWi-Fiを提供したホテルで、事務室のコピー機に保存されたファイルが宿泊者のパソコンから見える状態になっていた例を挙げています。

もう一つは電波が届かない席が出ることです。家庭用は1台で1フロアをまかなう想定のため、2台目を足すと端末がうまく切り替わらず「席を移ると切れる」状態になりがちです。

家庭と事務所では何が変わるのか?

機器の性能より、求められる要件が変わると考えると判断しやすくなります。

項目 家庭での前提 事務所で必要になること
使う人 同じ家の人だけ 従業員+来客・取引先
ネットワーク 分ける必要がない 来客用と業務用を物理分離/VLANで分離
端末同士の通信 共有したい 来客側は止める(プライバシーセパレータ)
電波の範囲 1台でまかなえる 複数台で切れ目なくつなぐ(ローミング)
止まったとき 再起動して様子見 業務が止まるため復旧の窓口が要る

買い替える前に確認する点

1. 管理用パスワードが初期値のままでないか

Wi-Fiに入るパスワードとは別に、設定画面へ入るパスワードがあります。初期値のままだと誰でも設定を書き換えられます。

2. 暗号化方式がWPA2かWPA3か

総務省は自宅向けマニュアルでも「WPA2またはWPA3を選択しよう」を第1のポイントに挙げています。同じ調査では方式が「わからない」51%、古いWEPが12%でした。古い方式のままの機器は入れ替えの対象です。

3. サポート期限とファームウェア

調査では「ファームウェアがわからない」が47%と突出していました。サポートが終わった機器は、穴が見つかっても直りません。

4. 来客用SSIDが業務用と本当に分かれているか

「ゲスト用SSID」があるだけでは足りません。回線を共用する場合はパケットフィルタやファイアウォールで確実に分けるよう手引きは求めています。

ひとこと:「Wi-Fiが遅い」の原因が、家庭用ルーター2台の両方がIPアドレスを配っていた、という設定の問題だったことは少なくありません。買い替えを決める前に見てからで間に合います。

自分でできること、業者に頼んだ方がよいこと

管理用パスワードの変更、暗号化方式の確認、ファームウェアの更新は、説明書があれば自社でもできます。来客用と業務用の分離、複数台の設計、ローミングの調整は機器と設定の両方が絡むため、現状を見てもらってから決めた方が早く済みます。順番はWi-Fiの相談前チェックにまとめています。

GT.engineerの対応範囲

替えるべきかどうかの判断からお受けします。「まず1台売る」ことはしません。

  • 電波測定と、アクセスポイントの台数・位置の設計
  • 来客用Wi-Fiと業務用ネットワークの分離(VLAN・ゲストSSID)
  • 既存のルーター・ハブ・配線の点検と、LAN配線工事
  • 設定内容の書面化と、故障時の連絡窓口

よくある質問

Q. 従業員5人の事務所でも業務用アクセスポイントが必要ですか?

A. 来客にWi-Fiを貸さず1部屋で全員がつながっているなら、家庭用でも運用できます。来客用の電波を出す場合や、届かない席がある場合は業務用を検討してください。

Q. ゲスト用SSIDを使えば来客に貸しても大丈夫ですか?

A. それだけでは不十分です。業務用ネットワークと分離されているか、来客の端末同士の通信が止まっているかを設定画面で確認してください。総務省の手引きは物理分離またはVLANによる論理分離を求めています。

Q. 家庭用ルーターを2台並べれば電波の範囲は広がりますか?

A. 面積は広がりますが、席を移ったとき端末が近い方へ切り替わるとは限りません。2台目をそのままつなぐとIPアドレスの配布が二重になり、かえって不安定になることもあります。

Q. いまのルーターが危険かどうか、どこで分かりますか?

A. 型番でサポート期限とファームウェアの最新版を確認してください。家庭向けルーターが攻撃の踏み台にされた事例はこちらの記事で紹介しています。

静岡県東部で相談するなら

有限会社GT.engineer(静岡県三島市長伏52-3)は、沼津市・三島市・清水町・長泉町を中心に、伊豆市・伊豆の国市を含む伊豆地域全体で、ネットワーク・Wi-Fi、サーバー・NAS、防犯カメラ、IT保守を扱っています。「家庭用のままで足りるのか」の判断だけでもご相談いただけます。

事務所のWi-Fiを相談する →

出典:総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」(「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」令和7年2月版/「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き」令和7年2月版/「令和7年度 無線LAN利用者実態調査 概要版」2026年7月14日公表、調査期間2026年2月16日〜26日、プレ調査10,000件・本調査1,000件)(2026年9月24日確認)

ブログの一覧へ →

ご相談から、
一緒に整理します。

現在のお困り事や、これから実現したいこと。
お客様の業務に合わせて、一緒に考えます。

このサービスについて
相談する
電話で相談する055-957-4706