HUBにループさせちゃダメ!

― LANケーブル1本でネットワークが止まる理由 ―

 こんな症状ありませんか?

  • 「突然ネットが全部止まった」
  • 「社内LANが急に遅くなった」
  • 「HUBを増設したら通信が不安定になった」

このようなトラブルの原因として、意外と多いのが「ネットワークループ」です。

LANケーブルの接続方法によっては、ケーブル1本で社内ネットワーク全体が停止することがあります。

この記事では、HUBでループを作ると何が起きるのか、そしてなぜ接続してはいけないのかを整理します。

結論:HUB同士を輪のようにつなぐと通信が暴走する

ネットワークでは、同じ経路が円のようにつながる状態(ループ)を作ると通信が止まる原因になります。

例として、次のような配線です。

ネットワークループ図解

▲ 円を描くように接続された状態(ループ配線)

このように通信経路が一周できる状態になると、ネットワークが正常に動作しなくなる可能性があります。

なぜループで通信が止まるのか

原因はブロードキャスト通信の増殖です。

 ブロードキャスト通信とは?

LANには、ネットワーク全体に一斉送信される通信が存在します。

  • ARP通信(MACアドレスの解決)
  • 機器探索(プリンタやサーバーの検索)
  • DHCP(IPアドレスの自動取得)

ループがあると起きること

通常、ブロードキャスト通信は1回ネットワークを流れて終わります。

しかしループ配線があると、通信が出口を見つけられずに無限に回り続けます。

HUB A → HUB B → HUB A → HUB B → …(無限ループ)

ブロードキャストストーム

👉 ブロードキャストストーム

通信が雪だるま式に増え続け、嵐のようにネットワークを埋め尽くす現象

ブロードキャストストームが起きるとどうなる?

実際の現場では次のような深刻な症状が出ます。

 通信障害

社内ネットワークが極端に遅くなるインターネットに接続できないPC同士の通信も不安定になる

 機器への負荷

ルーターのCPU負荷が急上昇全体がほぼ停止状態になるHUBのランプが激しく点滅し続ける

場合によっては、社内ネットワーク全体が使用不能になります。

よくある発生パターン

① HUB増設時の誤配線

HUBを追加する際に、既存HUBと新しいHUBを複数本(2本以上)のLANケーブルで接続してしまうケースです。「念のため2本つないでおこう」はNGです。

② 空きポート同士を接続

配線整理のつもりで、ケーブルの両端を同じHUB内のポートにつないでしまう(自分自身にループさせる)ことがあります。

③ 別フロアのLANを戻してしまう

「フロアA」と「フロアB」のLANを接続した結果、壁の中の配線などを通じてネットワークが大きく一周してしまう構成になることがあります。

ループ対策:業務用ネットワークではどうしている?

業務用ネットワークではSTP(Spanning Tree Protocol)という仕組みを使います。

 STPの役割

STP動作イメージ

  • ループを自動的に検知する
  • ループしているポートを一時的にブロックして通信経路を遮断する
  • ネットワーク全体の停止を防ぐ

 注意点:安価なHUBの場合

家庭用HUBや安価なスイッチングハブでは、以下のケースが多くあります。

  • STP未対応
  • ループ検知機能なし

この場合、ループが発生すると防御する術がなく、そのまま通信障害(全停止)になります。

トラブル時の基本対応

ループが疑われる症状

  • ネットワーク全体が急に遅くなる
  • HUBのアクセスランプが異常な速さで点滅し続ける(全ポート同時など)
  • PCを再起動しても改善しない
  • HUBのケーブルを抜くと復旧する

対処の手順

  1. HUB同士の接続を確認する(二重配線になっていないか)
  2. 不要なLANケーブルを外す
  3. 増設した部分から順に切り分けを行う

ループは、原因となっているケーブルを1本抜くだけで劇的に復旧するケースも多いです。


ネットワークトラブルシューティング

まとめ

  • HUBでループを作ると通信が暴走する(ブロードキャストストーム)
  • LANケーブル1本のミス配線で、社内ネットワーク全体が停止することもある
  • 業務用環境ではSTPなどで対策されるが、安価なHUBでは注意が必要
  • LAN配線はシンプルにすることがトラブル防止の基本

 GT.engineerの考え方

ネットワークトラブルでは、配線構成そのものが原因になっているケースも少なくありません。

GT.engineerでは、現状構成を確認したうえで、必要な範囲でのネットワーク整理・改善を行っています。

「不要な経路を作らない」「機器仕様(STPなど)を確認する」といった基本を大切にし、安定したインフラ環境を提供します。