「自宅のWi-Fiは普通に使えているのに、ホテルでは遅い・切れる・つながらないことがある」
この違いは機器の価格やメーカー以前に、前提条件がまったく異なることが原因です。この記事では、ホテルWi-Fiと家庭用Wi-Fiの違いを事実ベースで整理し、なぜ同じ「Wi-Fi」でも設計思想が違うのかを解説します。
結論:ホテルWi-Fiは「家庭用の延長」ではない
家庭用Wi-Fiは「数人が、限られた場所で使う」ことを前提にしています。
一方、ホテルWi-Fiは「不特定多数が、移動しながら、同時に使う」ことが前提です。
この前提条件の差が、構成・機器・設計思想のすべてを変えています。
TP-Link Omada – ホテルや施設向け業務用Wi-Fiソリューション
家庭用Wi-Fiの前提条件
家庭用Wi-Fiは、以下の条件で設計されています。
- 利用人数:2〜5人程度
- 端末数:スマートフォン・PC・TVなど数台
- 利用場所:固定(家の中)
- 利用時間:分散
- 管理者:利用者本人
このため、「多少遅くても問題になりにくい」「一時的に切れても致命的にならない」という前提があります。
ホテルWi-Fiの前提条件
ホテルWi-Fiでは、条件が根本的に異なります。
- 利用人数:数十〜数百人
- 端末数:1人あたり複数台
- 利用場所:客室・廊下・ロビー・宴会場
- 利用時間:同時集中
- 管理者:施設側
さらに、以下のような厳しい制約があります。
- 利用者は設定変更できない
- 接続トラブルは「クレーム」につながる
- 速度低下=サービス品質低下
一番大きな違い①「同時接続数」
家庭用Wi-Fiは、同時接続数が少ない前提で作られています。
ホテルWi-Fiでは、「夜のチェックイン後」や「朝の出発前」など、特定の時間帯に接続が集中します。このとき重要なのは「速さ」よりも “破綻しないこと” です。
一番大きな違い②「アクセスポイントの考え方」
| 家庭用Wi-Fi | 1台で広くカバーする出力に頼る設計 |
|---|---|
| ホテルWi-Fi | 複数台を分散配置出力を抑え、干渉を減らすエリアごとに負荷を分散 |
👉 強い電波を出すのではなく、細かく配置する設計です。
EAP610 – 天井設置型Wi-Fi 6 AP
EAP225 – 中規模施設向けAP
一番大きな違い③「ローミング」
ホテルでは、利用者が移動します(客室 → 廊下 → ロビー、フロア移動など)。このとき重要なのがローミングです。
ローミングとは、複数のWi-Fiアクセスポイント間を通信を切らさずに切り替える仕組みです。
家庭用Wi-Fiでは、この動作はほとんど考慮されていません。
一番大きな違い④「管理と制御」
ホテルWi-Fiでは、以下が必要になります。
- 利用状況の把握
- 異常時の切り分け
- 端末・エリアごとの制御
家庭用Wi-Fiにはこうした管理機能は想定されていません。
「高い機器=速いWi-Fi」ではない理由
ホテルWi-Fiで重要なのは、以下の4点です。
- 回線帯域
- 同時接続制御
- 電波干渉対策
- 適切な台数配置
1台あたりの性能が高くても、設計が合っていなければ速度は出ません。
ホテルWi-Fiが不安定になる典型例
- 家庭用ルーターを流用している
- アクセスポイントの台数不足
- 壁構造を考慮していない
- 回線帯域が利用規模に合っていない
これらは、機器を高価にしても解決しません。
ホテルWi-Fiに必要なのは「設計」
ホテルWi-Fiでは、「何人が、どこで、どの時間帯に、何をするか」を前提に設計します。これは家庭用Wi-Fiの延長では対応できない領域です。
EAP650 – 超薄型設計で天井に目立たず設置可能
GT.engineerが重視している考え方
- 電波を強くすることを目的にしない
- 台数と配置で安定性を確保
- 過剰な構成を前提にしない
- 運用できる範囲で設計する
「つながるかどうか」だけでなく、「クレームにならないか」を基準に考えます。
まとめ
- ホテルWi-Fiと家庭用Wi-Fiは前提条件が違う
- 同時接続・移動・集中利用が最大の違い
- 高価な機器=安定ではない
- 必要なのは電波強度ではなく設計
EAP620 HD – 高密度環境対応アクセスポイント(ホテル・会議場向け)